ノーメモリーの人のブログ

ファンタスティックアトモスフィア

2017年に読んだ本

2017年はKindleを手に入れて、電子書籍が捗りました。
今回は、2017年に読んだ本(漫画と技術書を除く)の感想を、面白かった順にまとめました。

1. バッタを倒しにアフリカへ

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタ博士がアフリカで奮闘するノンフィクション。

特にバッタ博士の研究のやり方がとても素晴らしかった。博士はアフリカで行う研究の計画を予め日本で立てていたが、いざ現場を見て「計画に縛られると目の前の大切なものを逃してしまう」と思い、敢えて無計画で臨むことにした。そして対象(バッタ)をくまなく観察し、仮説を立て、現場で人力で実施できる、なるべく統制できて再現性のある方法で実験をした。具体的には、白装束でバッタにアプローチし、群れの大きさを目分量で5段階に分け、群がっていた植物の縦横高さを巻尺で測定するのを繰り返すというものだった。

日本では、統制された環境で精密な計測器で実験ができるが、現場ではそういう訳にもいかないので、自分なりに創意工夫して臨機応変に進めていく姿がかっこいいと思いました。「大量のバッタがいるおかげで、地平線の彼方まで実験し放題だ」という言葉が、マッドサイエンティスト感があり素敵だった。

その他にも、アフリカの仲間たちのキャラがとても面白かった。

真面目で真摯で、創意工夫に溢れててお茶目で遊び心があるところを大事にして、これからも突き進んでほしいと思いました。

2. わたしを離さないで

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

カズオのノーベル賞受賞作。

ちょっとミステリー的な要素もあり、読み進めていくとだんだん謎が明らかになっていき、一気に読んでしまった。

キャシーの繊細な気持ちの表現がうまく、とても綺麗な日本語だった(訳だけど)。

読んだ後はとても切ない気持ちでいっぱいになった。ノーベル賞あげちゃう。

3. スタンフォード式 最高の睡眠

スタンフォード式 最高の睡眠

スタンフォード式 最高の睡眠

睡眠のこと大事すぎて思わず買ってしまった本。

大事だと思った点

  • 最初の90分のノンレム睡眠で最も成長ホルモンが出る
  • 毎日40分の睡眠負債が溜まっている場合、毎日14時間ベッドにいるのを3週間続けないと返済できない
  • 睡眠時間を削らなければならないときは作業してから寝るのではなく、いつもの時間に寝て90分以上たってから起き作業する(質が確保できる)
  • 深部体温と皮膚体温の差が縮まると眠くなりやすくなり、そのためには就寝90分前にお風呂から出ているとちょうどよい
  • いつも寝る時刻の2時間前〜直前は最も眠くならない
  • 1日でずらせる入眠の時刻は1時間(8時間の時差のある国に行くなら、慣れるまで8日必要)

これを読んでからなるべく10時半にお風呂から出て、12時には寝るようにしている。これを読んでいた夏に比べたら今は寝れているけど、夜更かしとかはこれからもなるべくしない!

4. 消極性デザイン宣言-消極的な人よ、声を上げよ。……いや、上げなくてよい。

消極性デザイン宣言 ―消極的な人よ、声を上げよ。……いや、上げなくてよい。

消極性デザイン宣言 ―消極的な人よ、声を上げよ。……いや、上げなくてよい。

Kindleで初めて買った記念すべき1冊。

人間関係に積極的でなかったりシャイだったりする人のための技術を考えており面白いです。これを読んで自分は内向的な人間なのでは?と思うきっかけになったので、本当に読んでよかったです。

面白かったのは、やめて下さいって面と向かって言えないときに、「性能の低い人工知能」が爆発してしまった、周囲のみなさん申し訳ありません、というスタンスをとって、相手を注意するシステムです。

一般的に、コミュニケーションが活性化することが正義!と考えられてきて、自分でもいくらか訓練されてきたから頑張れば積極的に振る舞うこともできるけど、人と関わりすぎるとエネルギーを使いすぎて疲れてしまったり人と関わる勇気の出ない人もいるので、こういう人たちを支援する研究が盛り上がってほしいし、何なら自分でもやりたい。

5. 内向型を強みにする

内向型を強みにする

内向型を強みにする

自分は内向的な人間なのではないかと思って読み、うんやはりそうですねと思った本。

消極性デザイン宣言での例えを使うと、外向的な人は人との交流が食事(エネルギー充電)のようなものであるのに対して、内向的な人は人との交流はスポーツ(楽しくはあるけど、練習も休息も必要で、ハードだと怪我をする)のようなものになる。

これまでは多分多少無理をして人と交流していたけど、自分はこっちタイプだって思ってからは、人と会う予定などを分散させたりコントロールできるようになった。特に土日など1日の間に複数予定があったりするとやっぱり疲れてしまうので、最近は土日はちゃんと休息できるようにしている!

6. 日の名残り

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

カズオにインスパイアされて読んだもう一冊。

スティーブンスの真面目でお茶目なキャラクターがとっても素敵で可愛らしかった。あと好きな人にはちゃんと好きって言おうねという気持ちになりました。

7. 貴様いつまで女子でいるつもりだ問題

女子をこじらせたアラサーが読むとよい本。

「ピンクと和解せよ」など、とても共感した。私もこじらせていたので、小さい頃からあんな女の子らしさ、可愛らしさの権化みたいな色、あんなのはモテたい人が身につける色やで、とずっと思っていた。でもピンク自体は何も悪くなかったんや、、、自分にもピンクを愛でる気持ちがなくはないと気づいてから、ピンクも取り入れるようになった。

著者の、裏地がピンクを楽しめるようになってきたというの、とてもわかる、、、

でも私はジェラートピケとは和解してない。

8. あなたの中の異常心理

あなたの中の異常心理 (幻冬舎新書)

あなたの中の異常心理 (幻冬舎新書)

人間の闇に目を向けようと思って買った本。

  • 完璧主義は、うまく機能しているときは高い成果を収め、努力が報われることからどんどん強化されていく。しかし目標の達成が困難な状況に置かれると、強い病理性が発現することもある。完璧主義は、予定されていたものとの同一を求める反復強迫だと言える。
  • マズローが行った1930年代の研究では、男女が惹かれ合うとき、支配性向が比較的近い場合が多く、相性のいい組み合わせは、男性の方の支配性向が女性よりも少しだけ強い場合だった。支配性向が高位の人が中位や低位の人をわざわざパートナーに選ぶ場合は、対等な対人関係を築けないという問題を抱えていることが多く、自分が優位に立てる相手を選んでいる。
  • 相反する気持ちを同時に抱える特性を両価性と言う。両価性の一つの性質に、一方の気持ちにだけ肩入れして、そちらに無理強いしようとすると、しばしば反対のことが起きてしまうことがある。恋愛感情がない時であっても、好きになってはいけないと身構えることで、逆に好きになってしまうなど。また、会社に行けないサラリーマンも、行かねばならないとばかり言われると、かえって行くのが不安になってしまうなど。

面白いね!

9. 統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門

統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 (ブルーバックス)

統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 (ブルーバックス)

ヤバいデータ分析や見せ方の手法を知りたいと思って読んだ。

一番ヤバいなと思ったのは、絵グラフでBがAの2倍の値のとき、Aの画像を2倍に拡大したものをBに用いて、高さとしては2倍だけどそのまま幅も2倍になっているので面積的には4倍近くに見せているもの。どう見てもヤバいことに気付くだろこれと思ったけど、実際オシャなインフォグラフィックとかで描かれていたら印象に騙されるかもしれないと思った。

いろいろな手法を見れて良かったけど、結果的には結構知っているものが多かった。

10. 仕事は楽しいかね?

仕事は楽しいかね? (きこ書房)

仕事は楽しいかね? (きこ書房)

無料だったのでダウンロードしてみた本。

自己啓発と直接関係ないけど、ホーソーン効果という衝撃的なことを知れてよかった。例えば工場の生産性を高めるために照明とか休憩時間とかを変えてみると、どんな変化であれ生産性が上がり、条件を元に戻しても生産性はそのまま、ということがあるらしい。

産業心理学ではよく被験者の意識のあり方で統制できない例として取り上げられるらしいが、本では試すことに意味があるぜ!的な解釈もしていた。どちらにせよ面白い現象だな~と思いました。

11. LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲

女性が社会に出るときに読むと良さそうな本。

フェイスブックのCOOである著者が、これまで女性だからこそ経験してきた大変なことをまとめている。

女性に対するステレオタイプは男性だけでなく女性自身も持っているので、性別関係なく縛られないように気を付けようと思いました。先輩たちのお陰で、私はこれまで会社で女性が理由の不利益を被ったことはないというかむしろ甘やかされてるように思うが(それもだめだけど)、そうではないところもたくさんあると思うので、世の中の不当に不利益を被る人が減ってほしいです。

あと「女性もリーダーにどんどんなろう!」感を強く感じてしまい、私は働きたいけど成果がちゃんと評価されてればよくて、特にリーダーにはなりたくないな、と思うので若干置いてかれた感がありました。

12. 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

アドラー心理学がわかりやすく学べる本。

アドラー心理学がどんなものかはわかったが、主張には特にグッとこなかった、、、人間関係に特に悩んでいなかったからかもしれない。ただ対話形式で書かれていたのは理解しやすかった。